花粉症になる原因を知ろう
国民病ともいわれる花粉症の患者は年々増え続けているといわれています。
どうしてこんなにも花粉症に悩む人が増えているのでしょう。
その原因の一つが、戦後の植林政策による花粉増加にあるそうです。花粉が増加したことだけでなく、大気汚染や環境の変化、食生活の変化が私たちの体質を変えてしまったようなのです。
運動不足や食生活のみだれにより、免疫機能が低下し、アレルギーになりやすい体質になっているのです。
アレルゲンとなる花粉が体内に入ると、リンパ球がIgE抗体を作ります。IgE抗体はアレルゲンが再び侵入したとき、肥満細胞と結合しヒスタミンを分泌させ、アレルギー反応が起こります。
アレルゲンとなる物質は、スギやヒノキ、ブタクサなどの花粉だけでなく、ダニやハウスダストによっても花粉症を引き起こします。
花粉症の症状があるからといって、花粉が原因とは限りませんので、病院でアレルギーの検査を受けて原因物質を把握するようにしましょう。
アレルゲンを確定する検査には、アレルゲンのエキスを皮膚にたらして針で引っかき反応を見るスクラッチテストと、アレルゲンと思われるエキスを直接皮内に注射する皮内テストがあります。
花粉症を予防し軽くする薬と効果
花粉症は、花粉などでアレルギー症状をおこすヒスタミンという物質の放出により神経や血管が刺激されアレルギー反応をおこす、日本人の5人に1人はその悩みを抱えると言われる症状なのです。
今年は例年より早く、花粉の飛散量も3倍近くなる地域もあるそうです。
しっかりと対策をして備えましょう。
毎年、花粉症になる、または症状の軽い人は、花粉が飛び始める2週間くらい前から抗アレルギー剤を服用始めると、症状を軽くすることができます。
花粉症に使われる薬には、初期症状や予防に使われる遊離抑制剤、主なケミカルメディエーター(化学伝達物質)のヒスタミンの受容体をブロックする即効性ある抗ヒスタミン剤、アレルギー反応の炎症を鎮める消炎作用のあるステロイド剤、体質改善に役立つ漢方薬などがあります。
遊離抑制剤はアレルギー物質が体内に入ると生体反応の働きをする肥満細胞の過剰な働きを抑え、ケミカルメディエーターという物質(ヒスタミンなど)の遊離抑制する薬になります。(インタールなど)
効き目はやさしく持続性のある薬で、1〜2週間飲み続ける病院で処方される薬になります。主に予防に使われることが多い薬といえるでしょう。
体質改善に飲み続ける漢方薬
漢方薬は、体質改善として服用を続ける薬と、即効性のある薬があります。
他の薬のようにピンポイントで効果を示すものではありませんが、副作用も少なく、眠くなることもありません。
東洋医学での治療は漢方を使ったものになるのですが、花粉症は東洋医学において「水毒」と呼ばれ、鼻水やくしゃみ、涙など体から水があふれだす異常反応をいいます。
水毒という東洋医学では、鼻水の状態で冷えタイプと熱タイプに分けて花粉症の症状に応じた漢方を使います。
くしゃみや透明の鼻水が出るタイプの人は冷えタイプ、黄色っぽい鼻水で喉や目にも炎症がでる人は熱タイプになりますので、それに対応した漢方を処方されます。
この水毒体質を改善するには、体液の流れを良くし、冷えを失くすことが必要になりますので、薬を飲む時も、冷えタイプの人はお湯に溶かして少し温かくして飲むと効果もあがります。
飲みにくい時は、ハチミツなど甘味をまぜるといいでしょう。
花粉症は体質が大きく関わりがありますので、体の冷えやむくみをとったり、血液やリンパの流れをよくすることで免疫も改善され花粉症にも効果を発揮するのです。
花粉症の主な漢方薬
小青竜湯(しょうせいりゅうとう)… 鼻や眼の充血を抑え、冷えタイプの水分代謝と胃腸の働きを改善。花粉症の漢方薬としてもっともポピュラー
麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)… 効果の早い炎症を抑える薬
辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)… 鼻づまり、頭痛、咳などに
当帰芍薬散(とうきちゃくやくさん)… 水っぽく染み出してくるような鼻汁で冷え性、貧血の人に
天津感冒片(てんしんかんぼうへん)… 熱タイプの花粉症に
杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)… 体質改善に効果
補中益気丸(ほちゅうえっきがん)… 免疫力アップに効果
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)… 粘りある鼻水・鼻づまりなど、のぼせ気味の人に
柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)… くしゃみ、鼻水や眼のかゆみなど炎症症状のある人に
防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)… 眼や鼻のかゆみが強く、鼻づまりが主な熱タイプの人に
ほかにもよく見かける葛根湯、小柴胡湯などがあります。